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PROJECT ORIGIN(プロジェクト・オリジン)

PROJECT ORIGIN(プロジェクト・オリジン)

ロイヤルエンフィールド創立120周年記念プロジェクト「 PROJECT ORIGIN(プロジェクト・オリジン)」
1901年に誕生したロイヤルエンフィールド初のモーターサイクルを記念して ロイヤルエンフィールド創立120周年記念プロジェクト「 PROJECT ORIGIN(プロジェクト・オリジン)」
1901年に誕生したロイヤルエンフィールド初のモーターサイクルを記念して

ロイヤルエンフィールドが創立120周年を記念するプロジェクトとして、同社初のモーターサイクルを忠実に再現した「プロジェクト・オリジン」。
ロイヤルエンフィールドが築き上げてきた「ピュア・モーターサイクリング」という不変の伝統の礎となったバイクです。

ロイヤルエンフィールドの象徴的なキャッチフレーズである "Since 1901"は、ロイヤルエンフィールドにとって、伝統と豊かな歴史を継承することがいかに重要であるかを物語るものであり、"プロジェクト・オリジン "は、この思いを具現化したものです。1901年という数字はモーターサイクルの世界で大きな意味を持ち、ロイヤルエンフィールドは、今日に至るまで生産を続けているモーターサイクルメーカーの中で最も古い歴史を持っているのです。

「プロジェクト・オリジン」の構想は、ロイヤルエンフィールドの社史研究家であるゴードン・メイ氏が、ブランド創立120周年を記念して行ったプレゼンテーションの中で、ロイヤルエンフィールドのデザインとエンジニアリングチームに投げかけた挑戦から生まれました。
プレゼンテーションの中で、1901年にロイヤルエンフィールドの共同設立者でありチーフデザイナーであったボブ・ウォーカー・スミスと、フランス人のジュール・ゴビエが開発したロイヤルエンフィールドの最初のプロトタイプバイクに焦点が当てられました。

設立間もないオートバイ産業は、独自で展示会を開催するほどには発展していなかったため、プロトタイプは1901年11月にロンドンで開催されたスタンレー・サイクルショーに展示されました。ロイヤルエンフィールドがエンジンを搭載した2輪車を一般公開した最初の出来事でした。

しかし、残念ながら今日に至るまで、このオリジナルモーターサイクルの実車は見つかっておらず、ロイヤルエンフィールドの歴史というパズルの主要なピースが欠けている状態でした。設計図も無く、このモーターサイクルがどのように製造されたのか参考になるものは殆ど存在していません、残っていたのは1901年に撮影された数枚の写真、宣伝用の広告、図解入りのニュース記事だけでしたが、これらの記事からこのモーターサイクルがどのように見え、どのように機能したかを知るための手がかりを得ることができました。

私達はロイヤルエンフィールドの有志でチームを結成し、歴史書をさかのぼり、2輪車の草創期に関する情報や100年前の知識を可能な限り掘り起こす、発見と探求の旅に取り掛かりました。ロイヤルエンフィールドUKとインドのテクニカルセンター、ハリス・パフォーマンス、ヴィンテージモーターサイクルの専門家たちとの共同作業により、デザインパズルのすべてのピースを見つけるための宝探しはますます加速していきました。



当時のロイヤルエンフィールドのメカニズム、エンジニアリング、人間工学が、現在のモーターサイクルとは大きく異なっていることは明らかでした。最も大きな違いのひとつはエンジンの搭載位置で、前輪上のステアリング・ヘッドに固定され、そのエンジンが長くクロスした革のベルトを介して後輪を駆動していました。
ジュール・ゴビエは後輪を駆動することで、前輪駆動のモーターサイクルにありがちな横滑りを減らすことができると期待したのでしょう。
他にもこのエンジンが他と異なっていたのは、クランクケースが水平に分割されていた点です。これにより縦に分割したエンジンのクランクケースから、オイルが漏れて前輪に垂れるという悲惨な結果を避けることができたのです。



キャブレターは、エンジンのシリンダーヘッドの高さより少し低いガソリンタンクの側面に設置され、二次供給は排気から取り出され、燃料を暖めて凍結を防ぐためにキャブレターのミキシング・チャンバーの周囲に回されていました。ライダーはシリンダーの左側にあるハンドオイルポンプでクランクケースにオイルを注入しましたが、このオイルは10~15マイル走ると燃え尽きてしまい、その時点でもう一回オイルを注入する必要がありました。シリンダーヘッドには、機械式の排気バルブと自動式の吸気バルブがあり、吸気バルブはスプリングで閉じられ負圧で開きます。ピストンがシリンダー内を下降すると、吸気バルブが吸引されて空気と燃料の混合気の供給が可能になります。接点ブレーカーがコイルを作動させ、スパークプラグに連続したパルスを送ります。その結果、低回転にもかかわらず良好な燃焼が得られました。

エンジンの始動にはペダルが必要で、エンジンが始動すると、ガソリンタンクの右側にあるハンドレバーでキャブレターを開けて全開にします。スロットルはなく、ハンドルレバーで開く可変バルブリフターで速度を調節していました。速度を落とすにはバルブリフターを操作します。これによって排気バルブが開きシリンダー内の負圧がなくなるため、自動吸気バルブは閉じシリンダーに混合気は入ってきません。ライダーが排気バルブを閉じるとすぐに吸気バルブが開き、エンジンが始動します。そのため、ライダーは単にスピードをコントロールしているだけなのに、見る人にはエンジンが断続的に停止していると思えたかもしれません。



前輪のブレーキはライダーの左手で操作するレバーとケーブルで制御されていました。後輪も同様にブレーキがあしましたが、こちらはバックペダルで操作しました。
サドルは革製のリセット・ラ・グランデで、26インチホイールにはクリッパータイヤ2×2インチが装着されていました。価格は50ポンドで、現在の貨幣価値に換算すると4,000ポンド/4,745ユーロに相当します。

このようなすべての背景情報を収集した上で、「プロジェクト・オリジン」チームは、忠実に動くレプリカを一から作り直すために、最新の技術と旧来の技術を組み合わせることになりました。製作が進むにつれ、モーターサイクルを構成する部品の製造には高いレベルの専門知識と職人技が必要であることが明らかになりました。最も複雑で入り組んだ部品のひとつに折り畳み式真鍮タンクがあります。このタンクは、一枚の真鍮板から見事に手作りされたもので、折り畳み、成形、ハンマーによる打ち付け、はんだ付けなど、今ではほとんど忘れ去られた旧来の工具や技術を駆使して、現代的に製造されています。



ハリス・パフォーマンスのチームによって、モーターサイクルのチューブラーフレームは精巧に真鍮で制作され、真鍮製のレバーやスイッチも手作業で加工されました。参考となる設計図がないため、チームは1901年当時の数少ない写真やイラストを丹念に研究し、各部品のCAD設計を行いました。

さらには、手作業で木製のハンドルを加工し、前後のブレーキを製作し、キャブレターも一から作り上げました。パラフィンランプ、ホーン、革製サドル、ホイールなど、調達した当時のオリジナル部品はすべて再生され、メッキが施され、ついに完成した「プロジェクト・オリジン」モーターサイクルは、まるで1901年のスタンレー・サイクルショーで初公開されたばかりのマシンように仕上がりました。



「プロジェクト・オリジン」は、数十年におよぶ創造性、開発力、創意工夫、そして強靭さを特徴とするロイヤルエンフィールドの歴史の新たな章を象徴しています。1901年、あの魅力的なでゆっくりと回転する、ドッ、ドッ、ドッというエンジンから始まった世界最初のモーターサイクルは、その後の120年にわたる素晴らしい冒険の礎となったのです。

今回の第51回東京モーターサイクルショーでは、ロイヤルエンフィールドブースに特別展示として「PROJECT ORIGIN(プロジェクト・オリジン)」で再生されたモーターサイクルを展示します。また、展示に合わせゴードン・メイ氏も来日の予定です。
120年の時を超え現代に甦ったロイヤルエンフィールド初の伝説的なモデルを、ぜひこの機会にご覧ください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。